コラム

ピロリ菌は除菌後からが本当の勝負です!

みなさんはピロリ菌の除菌に成功すると、もう胃カメラは受けなくて良いと思っていませんか?当院でも毎年数多くピロリ菌の除菌治療を行っておりますが、患者さんと会話していると、このような考えの方がそれなりに多い印象です。しかし、実際には除菌に成功した後からが非常に大事となるのです!

そこで今回は、除菌に成功した後からが非常に大事な理由について詳しく説明させていただきたいと思います。

 

日本では、胃がんの99%はピロリ菌感染が原因

上記の通り、ピロリ菌に感染している方や以前感染していた方(除菌後)に胃がんが発生することがほとんどですが、ピロリ菌未感染の方でも確率は低いものの胃がんになることはあります。

胃がん全体の1-2%程度にピロリ菌未感染の胃がんがあると言われており、2019年の胃がんと診断された患者数は男性85,325人、女性38,994人 計124,319人のうち、およそ2000人程度の方が1年間にピロリ菌未感染の胃がんを発症しているものと推計されます。

 

ピロリ除菌の治療成績

ピロリ菌の除菌治療は、一般的には1種類の「胃酸を抑える薬」と2種類の「抗生剤」の合計3剤を併用した1日2回、7日間の内服治療が行われます。一次除菌の成功率は約70〜80%、一次除菌に失敗しても二次除まで行えば除菌成功率は約90%であると報告されています。
除菌に成功すると潰瘍が再発しにくくなることが知られており、 また除菌することで胃癌発症リスクが3の1〜3分の2程度に低下することが知られています(それでも未感染者と比べると胃癌リスクは50倍ほど高い!)。胃がんのリスクは低下するがゼロにはならず、胃の粘膜もある程度は回復するがもともとピロリ菌がいない胃と同じレベルにまでは改善しません。

 

ピロリ除菌後の胃がん発生率は結構高い

除菌後でも年率0.35%と高率に胃がんが発生します。さらに、早期胃がん内視鏡切除後の患者さんにおいては、除菌後でも年率3~5%とさらに高率に胃がんが発生します。つまり一度でも胃がんを発症された方は、無事治療が完了してもまた新たに胃がんができる可能性が高いため、より一層慎重な経過観察が必要となるのです。

 

早期発見ができれば内視鏡治療での切除が可能

大腸ポリープの内視鏡的粘膜下層剥離術( ESD)のイラスト🎨【フリー素材】|看護roo![カンゴルー]

昨今、内視鏡治療技術の進歩、使用機器やデバイスの性能向上などに伴い、多くの早期胃がんに対して内視鏡治療が行われております。

残念ながら内視鏡治療の適応外となってしまうような進行した胃がんが見つかる患者さんは、ほとんどが胃カメラ自体を受けていなかった方やピロリ除菌を行わなかった方、除菌後の定期検査を怠っていた方なのです。これまで「早く検査を受けておけばよかった」「ちゃんと定期的に検査を受けておけばよかった」とあとになって後悔されていた方も数多くみてきました。

 

ピロリ菌の除菌をされた患者さんへのお願い

ピロリ菌の除菌治療を受けた後に、除菌治療が成功したか判定を受けていない方が一定数いらっしゃいます。

ピロリ菌の1次除菌治療で成功率は70~80%です。逆に20~30%程度は1次除菌で失敗しています(2次除菌まですると除菌成功率は約90%)。除菌成功後に定期的に胃カメラを受けることも勿論大切ですが、まずはそれ以前に除菌が成功しているか否かを確かめることも非常に大事となります。

当院では、一人でも多くの方が胃がんにならないよう、胃がんになっても早期発見・早期治療ができるよう内視鏡クリニックとしてできる限りのサポートをできればと考えております✨この機会に是非、消化器病、内視鏡、ピロリ菌感染の専門医、認定医のいる当院で検査、治療を受けてみてはいかがでしょうか。

  • 除菌が成功したか、必ず判定検査を受けましょう
  • 除菌成功後は、必ず定期的(1年毎)に胃カメラを受けましょう

福岡県久留米市の内科、消化器内科、胃腸科、内視鏡内科なら宮﨑胃腸科内科医院にお任せください。

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の治療をはじめ、胃カメラ(上部内視鏡検査)、ピロリ菌検査、大腸カメラ(下部内視鏡検査)、日帰り大腸ポリープ切除術などを行っております。何か気になる症状などありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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