
コラム
健診で「ビリルビンが高い」と言われたら?体質性黄疸について久留米市の肝臓専門医が解説
健康診断や血液検査で「ビリルビンの数値が高い」「軽い黄疸があるかもしれない」と指摘されたことはありませんか。特に自覚症状がないにもかかわらず異常を指摘され、不安になる方も少なくありません。その原因の一つとして知られているのが体質性黄疸(たいしつせいおうだん)です。
体質性黄疸は、先天的な体質によって血液中のビリルビンがやや高くなりやすい状態を指します。多くの場合は病気ではなく、体質の一つとして知られており、健康診断で偶然見つかることが多いのが特徴です。
体質性黄疸とは
体質性黄疸とは、赤血球が分解されてできるビリルビンという色素を処理する肝臓の働きが、生まれつき少し弱いことで起こります。
通常、ビリルビンは肝臓で処理されて胆汁として体外に排出されます。しかし体質性黄疸では、この処理のスピードがやや遅いため、血液中のビリルビン値が軽度に高くなることがあります。
その結果、
健診でビリルビン高値を指摘される
疲労時に白目が少し黄色く見える
風邪やストレス時に数値が上がる
といった特徴がみられることがあります。
代表的な疾患であるジルベール症候群とクリグラー・ナジャー症候群
ジルベール症候群とクリグラー・ナジャー症候群は、どちらもビリルビンを処理する酵素(UGT1A1)の働きが関係する遺伝性の体質ですが、頻度・重症度・治療の必要性が大きく異なります。
| 項目 | ジルベール症候群 | クリグラー・ナジャー症候群 |
|---|---|---|
| 疾患の位置づけ | 最も多い体質性黄疸 | 非常にまれな遺伝性黄疸 |
| 原因 | UGT1A1酵素活性が軽度低下 | UGT1A1酵素が高度低下または欠損 |
| 有病率 | 約3〜10%(比較的多い) | 約100万〜1000万人に1人(極めて稀) |
| 発症時期 | 思春期〜成人で健診で偶然発見 | 新生児期から |
| 血清ビリルビン値 | 軽度上昇(多くは1〜3 mg/dL) | 非常に高値(20 mg/dL以上になることも) |
| 黄疸の程度 | 軽度(白目がやや黄色い程度) | 強い黄疸 |
| 症状 | 多くは無症状 | 重症例では神経障害のリスク |
| 生活への影響 | ほぼなし | 重症例では生命に関わる |
| 治療 | 基本的に不要 | 光線療法・肝移植などが必要な場合あり |
| 健診での発見 | 非常に多い | ほぼない |
| 予後 | 良好(寿命に影響なし) | 型によっては重篤 |
ポイント
ジルベール症候群は健康診断で偶然見つかることが多く、人口の数%にみられる比較的よくある体質です。基本的に治療は不要で、生活にも大きな影響はありません。
クリグラー・ナジャー症候群は極めてまれな先天性疾患で、特にⅠ型では新生児期から重い黄疸を呈し、専門的な治療が必要になります。
つまり、健診でビリルビン高値を指摘された成人の多くはジルベール症候群である可能性が高く、クリグラー・ナジャー症候群とは重症度が全く異なることが重要なポイントです。
症状はあるの?
多くの場合、自覚症状はほとんどありません。
ただし以下のような状況では、ビリルビンが一時的に上昇することがあります。
疲労
空腹やダイエット
睡眠不足
風邪などの体調不良
強いストレス
このようなときに、
「白目が少し黄色い気がする」
「血液検査でビリルビンが高い」
といった形で気づくことがあります。
重大な病気ではないの?
体質性黄疸そのものは、基本的に治療が必要な病気ではありません。
肝臓の病気に進行することもほとんどなく、日常生活に大きな影響を与えることも少ないとされています。
しかし重要なのは、本当に体質性黄疸なのかを確認することです。
黄疸の原因には、
肝炎
胆石
胆管の異常
肝臓や胆道の病気
などが含まれるため、必要に応じて検査を行い、他の病気が隠れていないかを確認することが大切です。
どんな検査をするの?
体質性黄疸が疑われる場合、次のような検査を行います。
血液検査
ビリルビンの種類(直接・間接)や肝機能を確認します。
腹部超音波(エコー)検査
肝臓・胆のう・胆管などに異常がないかを調べます。
腹部エコーは痛みや放射線被ばくのない安全な検査で、肝臓や胆道の状態を確認するのに非常に有用です。
健診で指摘されたらどうする?
健康診断で
「ビリルビンが高い」
「軽い黄疸がある」
と言われた場合でも、必ずしも重大な病気とは限りません。体質性黄疸であることも多くあります。
しかし、自己判断で放置するのではなく、一度医療機関で評価を受けることが大切です。適切な検査を行うことで、安心につながります。
久留米市で肝臓・消化器のご相談なら
久留米市の宮﨑胃腸科内科医院では、地域密着のかかりつけ医として、健診異常のご相談にも対応しています。
当院は
総合内科専門医
消化器病専門医
内視鏡専門医
肝臓専門医
が在籍しており、肝臓や胆道の病気の評価を専門的に行っています。
血液検査だけでなく、腹部超音波(エコー)検査によって肝臓や胆のうの状態を確認し、必要に応じて追加検査をご案内します。
健診で
ビリルビンが高いと言われた
黄疸を指摘された
肝機能異常が気になる
といった場合は、お気軽にご相談ください。
地域の皆さまの健康を支える久留米市のかかりつけ医として、わかりやすく丁寧な診療を心がけています。









